八ヶ岳の麓、香りと手当ての小さなサロン nanaflor ナナフロールです。
勉強会についての投稿が続きますが、「ふりかえり」として、夏の会の内容を記録しておこうと思います。秋の会の内容はこれからだけど、前回こんな勉強会だったよ!と参考になると思うので、良ければ見てみくださいね。
「香り・植物・こころとからだの勉強会」2022夏 ふりかえり
- テキストは、AEAJ会報誌#104
- 参加型、マンツーマンの勉強会。
- 事前に会報誌を読んできていただく。
- 宿題:セージ精油を使ったブレンドレシピ考案
- 勉強会では、参加者さんがテキストで気になった事、知りたい、疑問に思ったことなどを中心に深堀り。
- 私の方からピックアップ:
特集記事:ディオスコリデス(ビギナーの方には、同じく特集記事:頭のコリが招く不調 を予定していた) - 二十四節気の香り「芒種」
- 精油図鑑より セージ精油&ターメリック精油
- クラフト2種(ディオスコリデスの特集の中から、うがいチンキ&スギナチンキの化粧水)
書き上げてみると盛沢山!
AEAJ会員以外の方も、ビギナーの方も、だれでも参加できる会です。
特集記事から:ディオスコリデスと薬物誌
「ディオスコリデス」、「薬物誌」。
資格試験のために覚えた、この単語だけが記憶に残っている、という人が多いんじゃないでしょうか?
ディオスコリデスという人の人物像と彼の残した薬物誌について、色々と調べてみる良い機会。個人的にも読みごたえがあった特集でした。
● ディオスコリデスが生きた時代~15C頃までのヨーロッパ どんな様子だった?
歴史の流れにスポットを置いて、ローマ帝国から東ローマ帝国・西ローマ帝国への治世の移り変わり、そこで起きたこと。東ローマ帝国とアラビア~イブン・シーナ(医学典範)へと繋がっていく歴史を追っかけ、西ローマ帝国の衰退やギリシャ語の衰退が重なり知識の継承が途切れてしまったこと。そして数世紀後の十字軍の遠征によって、東から西へ知識が伝わり、繋がれたもの。
この勉強会のテーマでもあるけど、引き出しの中にある点と点を結んでいくことが大事だと思っています。歴史を俯瞰しながら、記憶の中の単語と単語をつなげて、歴史を一つの線に、流れにすることを考えてお話しました。
● マテリアメディカ 具体的にはどんな内容?
工夫された編纂、ディオスコリデスの意図。翻訳と写本の繰り返し。そのために起こった事。ウイーン写本の由来・どんなもの?
マテリアメディカに載っている植物について。それらが今も私たちの足元にあり、同じような使われ方をしていること。
こんなことをお話しながら、参加者さんとのお話がいろんな方向に広がっていきました。
もしビギナーさんだったら
今回の勉強会は、長年アロマテラピーを実践されている方々が申込してくださったのですが、ビギナーの方がいらしたら、もうひとつの特集記事「頭部のこりが招く不調とは?」をピックアップして、体感メインに進める予定でした。
- 夏でも絶対気持ちいい温め体験(手浴、足浴、温湿布など)
- ゆるむ、ってどういうこと?
- 香りでゆるむ
- 頭のツボ ここをケアすると良いよ
- 暮らしの中で意識するといいことetc.
温め体験は、絶対にやりたいな、っておもってたこと。コリが招く不調を何とかするより、コリ自体をゆるめて、健やかでいられることに気持ちを向けて暮らしたい。そのために出来ることを、いろいろ体験してもらえたらと考えて。
これはねー、だれが体験しても絶対気持ちいいと思う!笑
二十四節気の香り「芒種」
香りを実際に作ってみましたよ!
芒種の季節をイメージして、香りを感じてみる。
レシピだと「10%濃度のものを数滴」というものが、いくつか出てきます。それを実際に作ってみて、原液のままの香りと比べてみました。10%濃度に希釈したものは、原液のままよりも華やかに香りが広がることに驚き。
そして、私がどうしても苦手に感じたガルバナムの香り。それが、ブレンドしてしまうと他の香りと上手く馴染んで隠れるんですよね。全体的な香りのバランスで様子が変わる、という体験。こういう、臭いタイプの香りがほんの少し加わることで、香りに深みを与える大きな役割があるんでしょうね。そのガルバナムを、私は全然平気、大丈夫!って言われる参加者さんもいらして、香りを感じる感覚ってほんと人それぞれねー、なんて話も。
精油の特性を意識したブレンドではなく、香りを創っていくという、別のアプローチからの体験。
今回のレシピ、良い香りでした。私も含め、皆さん気に入られていましたよ。
しばらく寝かせて、香りの熟成を待つのもいいし、出来上がりのフレッシュ感を大事に使っても良し!
精油図鑑より セージ精油とターメリック精油
普段あまり使わない精油ですよね。特にターメリック精油なんて、使う機会あるかな?と思いますが、そういう精油について学ぶのも良い機会。それぞれの精油の特性を掘り下げてみていきました。
どちらもケトン類を多く含むので、禁忌があります。精油図鑑には載っていないけど、そのあたりのお話をメインに。ここ押さえておくの、大事です。
今回の勉強会の課題の一つに、「セージ精油のブレンドレシピ」を考えていただくことを宿題に出していました。
みなさんそれぞれの着眼点でよく考えてきてくださり、私も勉強になりました。
ナードのケモタイプ精油辞典実践集をみてみると、セージ精油を使ったレシピが思った以上にあったんですよ。禁忌を考慮しながら、使う目的と頻度、使用期間の設定をしっかり考えた上で上手く使えば、良い働きをしてくれる、という事なのでしょうね。
クラフト2つ、tryしました
ディオスコリデスの特集記事の中で紹介されていたものを2つピックアップ。
- タイムとセージのうがいチンキ
- スギナチンキの化粧水
タイムとセージのうがいチンキでは、タイムとセージのハーブとしての効能などについて、スギナチンキの化粧水では、スギナに含まれるミネラルの話など。
どちらもチンキを使うので、チンキの作り方についてもお話ししました。
実用性のある2品です!
その他には
このほかにも、「ハーブのある暮らし」という記事でラベンダーのお話があったので、手元にあるLavandura angustifoliaを数種類(産地、メーカー、栽培方法が違うもの)ピックアップして試香、香りの違いを体感していただき、お話をしました。
こんな風に、参加者さんが気になったことを中心に様々に話が広がって、2時間があっという間にオーバー!
ご感想&宿題のセージ精油のレシピシェア
勉強会終了後に、頂いたご感想や、宿題にしていたセージ精油のレシピのシェアをしました。
基本はマンツーマンだけど、わ!と思ったご感想や着眼は、みなさんとシェアさせて頂きました。お互いにプラスになれば素敵なこと。刺激にもなりますしね!
こんな様子で終えた勉強会。様子が伝わったでしょうか?
脱線もたくさんあったけど、そんなところから更に深堀りにつながったりするので、脱線はいつでもWelcomeです!笑
毎回オーバーしてしまった時間は、、、これは見直しますね。今回、2時間を設定していましたが、お話が弾んだこともあって全然足りなかった。誰にとっても時間は際限なくあるわけじゃないので、時間内に、というのも大切な線引きですよね。内容、進行含めて、更に良い形を目指したいと思います!