こんにちは!
こころとからだのライフステージが変化する大人女性へ、香りと温熱のナチュラルケアをお届けしている、ウエダカオリです。
今日は本を一冊、ご紹介しようと思います。
今読んでいる本なのですが、伊藤華英さんの著書「これからの人生と生理を考える」です。
伊藤さんは、オリンピックに出場されたアスリート(スイマー)。ご自身の体験を基に、スポーツ、月経、女性のからだのこと について書かれた本です。
「生理」について「話す」時代が来るとは思っていませんでした
こんな言葉からスタートするおはなし。
月経について話せる時代が来た
この序文から、引き込まれてしまって。
そうなのですよね。
本当に、10年前は、月経のことや、更年期のことが、こんなにオープンに話題になるような世の中になるとは、想像もしていなかった。
ここ数年で、フェムケアが大きなビジネスになり、雑誌でも普通に取り上げられるようになって。
それ以前のことを思うと、とても大きな変化だと思うのです。
アスリートと月経
アスリートでも、普通の人でも、女性であれば、月経は「毎月来るもの」。
でも、この本を読みながら、アスリートならではの悩みもあるんだと、気づかされたところも有ります。
例えば、
大事な大会の時に月経が重なってしまって、思うように力が出せなかった
ハードなトレーニングを続けていく中で、月経が止まってしまった
など、月経にまつわる悩みや不調。
メンタル面でも難しい。
記録と闘わなければいけないプレッシャーの中で、PMSや月経痛、ホルモンバランスの変化に引っ張られる気持ちの揺らぎを乗り越えなくてはいけない。
からだとメンタルを武器に戦うアスリートにとって、どうやってホルモンの波を見方につけるか。きっとそれはとても重要なことで、とても大きなテーマじゃないでしょうか。
エストロゲン分泌が低下することで、起こること
少し触れましたが、ハードなトレーニングの影響で、月経が止まってしまうことも有るそうです。
これは、トレーニングでエネルギーを多量に消費してしまうことによって、女性ホルモンを作り出す余裕がなくなり、脳からの「作って!」というサインが出なくなってしまいます(運動性無月経)。そうすると、身体がホルモンを作り出せなくて、結果、月経が止まってしまう。
もし、月経が長期で止まってしまったら、どうなると思う?
女性ホルモンの「エストロゲン」分泌が低下してしまうと、骨密度の低下や、骨折の不安が大きくなってくるのです。骨の成長も追い付かなくなってくる。きっと、一時的にでも、更年期以降の女性のからだと同じようになってしまうのではと思う。
これって、自分のからだの能力を可能な限り引き出したいアスリートには、非常に大きな問題になりますよね。まだまだ成長途中である10代、20代で、実はからだの屋台骨が十分に成長できていない、というのは、後々のからだへの影響まで心配になります。
月経があることのメリット。それを知らなければ、「月経来ないからラク!」くらいに思う人もいるかもしれません。
私も、きちんと月経と女性のからだのことを知るまでは、ただ単純に「月経は毎月くるもの」とだけ思っていたから。
だけど、月経と女性のからだのしくみを知った今なら、「からだのことを振り返ろう!」って言えます。
そもそも、
「月経」のことを、知っている?
ホルモンの波と、それに合わせたケアのしかたを知っている?
月経の不調やPMSを感じるとき、気軽に相談できる人が身近にいますか?
ここぞ!というときに最大限のパフォーマンスが出来るよう、スポーツの現場にも、月経に関する知識が浸透して、女性同士でオープンに話せたり相談できる環境があったり、指導者とコミュニケーションを取れるような環境にあってほしいですよね。
実際のところは、指導者が男性であることが多いこともあって、なかなか 月経にまつわる不調や変化を、気軽に相談できる人がいないのだそうです。
女性にとっても、月経のことって、とてもプライベートなことだ、という認識が大きのかもしれません。そして、抱える不調や痛みは一人一人違うから、女性同士でもなかなかシェアしづらいところがあるのかも。
そういったときに、月経周期を知っていれば、「いまはこういう時期」と受け止めて、トレーニング内容やメンタル面の調整が出来るだろうし、月経周期に合わせたセルフケアを知っていれば、役立つはずです。
そして必要があれば、産婦人科の先生に相談することも大事。頼りになる専門家が近くにいてくれたら、心強いですよね。
伊藤さんの本を読みながら、スポーツの現場でも、一つの過渡期が来ているのだなと感じています。
スポーツの世界だけでなく、家族の中でも同じですよね。
月経や更年期の不調を感じるときに、「少し休みたい」、「手伝ってくれたら凄く助かる!」という一言を、家族に普通に言える環境があること。からだのことを理解してくれて、普段からコミュニケーションが取れていたら、理想ですよね。
自分の人生の舵取りをしよう!
月経があること、女性ホルモンがあることで、私たちのからだが守られていることを知ること、月経は「面倒なもの」じゃなく、「ラッキーなもの」としてポジティブに受け止めることが大事なのだと思います。
生理は「人生」をコミットメントする
という、伊藤さんの言葉。いいなぁ。そのとおりだと感じます。
月経に振り回されるのではなく、月経のことを知り、からだの生理を見方につけることで、自分自身の肯定にも繋がるし、自分が「自分の身体を育んでいる」という主体性が、女性の人生観にも大きく影響すると思うのです。
伊藤さんが取り組まれている、スポーツの現場での啓蒙プロジェクトのリンクを付けますね。
また、月経にまつわるコラムを、スポーツ紙 「number」のwebサイトに寄稿されているので、そちらのリンクも。
「生理の知識が少なく、十分な準備もせず」今も悔やむ五輪直前のピルの服用
「私は生理をどれだけ知っているだろう」元五輪スイマーが、男性スポーツ指導者に伝えたいこと
「セクハラかも」“生理との向き合い方”に悩む男性へ、元五輪アスリートが指南「当たり前のことですが、自分が言われて嫌な聞き方は…」
月経を知ることから始めよう
私がアロマを学んだ、アロマテラピーの学校は、隣の助産院と、階下の女性のための鍼灸治療院、そこに寄り添うような形で併設されていた学校でした。
助産院や治療院という現場で、女性のこころとからだのためにアロマテラピーを取り入れてきた背景から、学校での学びは、アロマテラピーと並び、「月経と女性のからだのこと」が大きな柱 になっていて。
だから、アロマテラピーを学びながら、月経や女性のからだのことを学べたことは、とてもラッキーなことでした。30代半ばになって、初めてきちんと学ぶことが出来たのです。そして思ったのは、「これをもっと早くに、10代のころに知りたかった!」ってこと。
私たち女性は、思春期から、大人になって、更年期を終えるまで、人生の半分以上を、女性ホルモンの波に乗りながら生きています。
月経や女性ホルモンに振り回されるのではなく、「知ること」で、自分主体に。そして、からだもこころも健やかに育てていけたら一番!
何をするにも、こころとからだは、あなたの土台であるし、人生の舵取りは、自分で舵を取りたい。
そう思いませんか?
\「母と娘で聞く月経リズムとからだのはなし」/
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