
前回のイギリス・バースのローマ風呂 (Roman baths) を訪ねた、続きのお話です。
温泉水の味と泉質
ローマ風呂博物館(Bath Roman Baths)の見学ルートの最後に、「飲泉コーナー」がありました!
飲泉用に円錐形の紙コップが置いてあって、蛇口から出てくる温泉水を自由にお試しすることが出来ます。
せっかくここまで来たのだから、もちろん試飲するよね!と、迷わず一口。
ちょっと鉄っぽいお味でした。
2000年前に飲んでいた誰かも、同じように思ったかな。笑
温泉水といえば、どんな泉質なのか、気になりますよね?
試飲コーナーに、ミネラル成分表のパネルがあったので、写真に収めてきました。

バース天然温泉水(Bath Spa Water)のミネラル成分表(単位:mg/L)
| 成分名 | 含有量(mg/L) |
|---|---|
| 硫酸塩(Sulphate, SO₄) | 891.0 |
| カルシウム(Calcium, Ca) | 406.4 |
| 塩化物(Chloride, Cl) | 333.6 |
| ナトリウム(Sodium, Na) | 205.0 |
| 炭酸水素塩(Bicarbonate, HCO₃) | 151.0 |
| マグネシウム(Magnesium, Mg) | 53.7 |
| シリカ(二酸化ケイ素, Silica, SiO₂) | 21.4 |
| カリウム(Potassium, K) | 17.5 |
| ストロンチウム(Strontium, Sr) | 6.6 |
| フッ化物(Fluoride, F)* | 3.25 |
| 臭化物(Bromide, Br) | 1.93 |
| 鉄(Iron, Fe) | 0.80 |
| アンモニウム(Ammonium, NH₄) | 0.49 |
| マンガン(Manganese, Mn) | 0.05 |
| ホウ素(Boron, B) | 0.45 |
| ヨウ素(Iodine, I) | 0.04 |
| バリウム(Barium, Ba) | 0.03 |
| ニッケル(Nickel, Ni) | 0.005 |
| 亜鉛(Zinc, Zn) | 0.003 |
| セレン(Selenium, Se) | 0.003 |
| 総ミネラル含有量 | 2270.0 |
*フッ素は7歳未満の子どもや乳幼児には適していないと注意書きあり。
味に感じた「鉄っぽさ」、しっかり鉄分が含まれていますね。
さらに、ミネラルウォーターとの比較もあったので、こちらも参考に。
比較:他の有名ミネラルウォーターとのミネラル総量(mg/L)
| ミネラルウォーター名 | 総ミネラル含有量(mg/L) |
|---|---|
| Vichy Célestins(ヴィシー) | 3325 |
| Bath(バース) | 2270 |
| San Pellegrino(サンペレグリノ) | 948 |
| Perrier(ペリエ) | 480 |
| Evian(エビアン) | 320 |
バース、2番目! サンペルグリノやエビアンより、ミネラルが豊富だって。へぇぇ。
飲泉による効果には、胃腸や肝臓などの局所的に作用する効果と、入浴と同じように全身に作用する効果があることが、温泉医学の研究で明らかになっているそうです(日本温泉協会サイトより)。
ヨーロッパの温泉地では、「温泉医」の処方のもと、適した泉質を、決められた量だけ飲むのが一般的で、体調や症状に合わない温泉水を、自己判断で飲みすぎるのは、かえって体に負担になることもあるそう。
飲泉体験は、このローマ風呂の向かいにある、The Pump Room というカフェ&レストランでも体験できます。

地中海から遠く離れ、ブリテン島まで及んだ古代ローマ帝国の威光も、残念ながら帝国の衰退により沈んでいきます。ローマ人たちはブリテン島から去ってしまい、バースの温泉施設も次第に放置され、1000年以上の沈黙を迎えることになります。
そして、再び光がさすのが、18世紀になってから。
バースの街の歴史を詳しく知りたい方は、Wikipediaも参考に。日本語サイト 英語サイト
歴史好きの方は、ぜひ英語サイトから。
