
こんにちは! ウエダカオリです。
ライフステージの変化する大人女性へ、【香りxナチュラルケア】で、揺らいでも自分軸に戻れるこころと身体つくりをサポートしています。
ここ数日の間に、庭の木々が黄色く色づいてきて、徐々に紅葉が始まってきています。 カツラの木の、キャラメルのような甘い香りも風に乗って流れてきて、秋の深まりを感じています。
さて、少し前のメルマガで、久しぶりに観た映画の話をしたんです。
「ブエナ ビスタ ソシアルクラブ」という、キューバのミュージシャン達の演奏とドキュメンタリーを織り交ぜたもので、90年代後半に公開された映画。
この映画の前に、同タイトルのアルバムがリリースされていて、その年のグラミーを受賞しているんですね。そのこともあって、当時、世界的にキューバ音楽が注目を浴びていたんです。
そんなお話を、お話したところ、
「その映画、わたしも観ました!」とか、
「キューバの葉巻あるよ」とか、
読んでくださった方からキューバネタのコメントいただいたりして、ちょっとキューバに熱くなっていたところです。笑
そこで、、、
ちょっと質問です☆
あなたは、キューバという国にどんなイメージを持たれていますか?
↓
↓
↓
サルサ、
ゲバラ
クラシックカー、、、
そんな言葉が上がってきそう、、、 確かに、有名ですもんね!
一般的にはあまり知られていないのかもしれませんが、実は、キューバは自然療法と西洋医学を非常にうまく統合した、医療システムを確立している国でもあるんです。
アロマテラピーを学び始めて、わたしもそういったキューバの側面を、初めて知ったんですね。
私が学んでいた、アロマテラピーの学校の代表をされていた宮川先生が、もう何年もキューバの自然療法に関わってこられていたこともあり、授業のなかで現地の様子などを伝えてくださる機会が度々あったのです。
先進国がいう豊かさとは違う、別の形の豊かさを持っている国。
自然療法に関わる一人として、今回は、そんなキューバの一面について触れてみたいと思います。
キューバの医療事情(背景)
キューバ革命(1959年)後、カストロ政権の目指した目標は、「すべての国民が平等に医療と学問の恩恵を受けられる社会を作る」ことでした。
革命前のキューバでは、貧富の差が大きく、貧しい人々は十分な医療や教育を受けることができなかったのです。
そのため、キューバ政府は、国民の健康と教育を最優先事項とし、医療へのアクセスと識字率向上に力を注いできたんですね。その革命理念のもとに、医療と教育が無料で提供されるようになり、すべての国民が平等に医療を受けられるシステムが構築されたのです。
これには、経済制裁による物資不足、という政治的理由も、背景にありました。
物資不足により、医療が届けられない。手に入らない。
それなら、
そもそも、「病気にならなければ、医療を受ける必要がないんじゃないか?」という、根本的なところに目を向けたんですね。
必然的に、そうせざるを得なかった、とも言えると思います。
それでも、医療を届けられないことを「仕方ない」という事にせず、視点を変え、病気の予防や未病ケアを重視することに力を入れたことは、すばらしい舵取りだったと思います。
「一人一人が健康になれば、病院に行く必要もなくなり、医療費も削減できる。」
すごく、理にかなっているし、根本的なところだと思うんですね。
そうして、国の政策として、一人一人に、また社会に浸透させて、独自の医療システムを作り上げたことにより、病気を予防=国の医療費削減につながり、同時に国民の健康を守る重要な方策となったのです。
それだけでなく、キューバはバイオテクノロジーやがん治療の分野でも先端技術を持っており、他国に医療技術を提供することで、国際的にも高い評価を受けています。
ローカルな薬草を使った伝統医療や自然療法、最先端の医療技術。どちらかに選択肢を向けるのではなく、両方を統合した医療システムを構築しているキューバ。そこが、他国にはない特色とされています。

キューバで推奨されている自然療法
キューバの医療システムは、「国民全体に健康を届ける」ことを使命としています。これ、大事なポイントは、「健康を届ける」、としているところ。
健康であるために、また、病気を未然に防ぐために、自然療法が積極的にとりいれられ、日常生活に根付いているともいえますよね。
それでは、具体的に、どんな自然療法が取り入れられているのでしょうか?
キューバで推奨されている自然療法には、ハーブ療法やホメオパシー、フラワーレメディ、アロマテラピーなど、多岐にわたっています。
革命後の経済制裁で、物資不足、資金不足に陥っていたことで、もともと持っていた豊かな自然環境を利用したり、キューバの伝統的な薬草療法を掘り起こしたこと。
そうしたハーブ療法に加え、ホメオパシー、フラワーレメディ、アロマテラピーやハチミツ、そして適度な運動、リゾート施設での療養など、日ごろから、免疫や治癒力をサポートしたり、心のケアをしたり、適度な運動や食事療法を取り入れて、病気の予防やリラクゼーションに対する意識作りを、国民全体に浸透させていったんですね。
90年代に入り、経済的に頼りにしていた旧ソ連が崩壊、アメリカからの制裁も厳しくなり、キューバはさらに経済的に厳しい状況に陥りました。そのため一層「未病・予防」という事に対しての重要度を高めていく形になったわけです。
経済的に厳しく、決して生活が豊かでは無かったとおもいます。でも、何を持って豊かというか。キューバ医療が辿って来た道を考えると、少し考えてしまいます。
プライマリ・ケアと家庭医の存在
カストロ政権が目指したもう一つの大きな成果が、家庭医制度の導入です。
キューバの医療システムは、地域に根ざしたプライマリ・ケアを中心に運営されています。各地域に「コンサルトリオ(家庭医)」がいて、各家庭の予防医学や健康指導を行い、一人一人の健康を守るシステムが作られています。
例えば、
毎朝、公園にいって、皆で体操する習慣があるのですが、そこに、コンサルトリオや看護師も一緒にいて、皆の健康観察をしたり、相談を受けたりと、身体のことを何でも相談できる身近な存在として居るんです。
なにかあれば、まずは、自宅の周辺に生えているハーブを使って、対処することから始める。日々のちょっとしたケアで、健康を維持していくサポートをしています。
キューバの医師や看護師の約7割以上が、こうした地域に密着した形で働くのだそうです。お医者さんになる、ということは、家庭医になり、一人一人に総合的にかかわっていく、ってことが、一般的なんですね。
また、一人一人が未病への意識や関心を高めるために、子供のころから学校で薬草などの知識にふれる機会作り、調子を崩した時の対処法や薬草の使い方などを教えているのだそうです。

改めてキューバ医療について調べていたら、家庭医に関して詳しく書かれたレポートを見つけました。
こちらにリンクさせていただきます。
こちらも併せて参考に。
キューバの医療事情について、詳しく書かれている記事①、 ②、 ③
キューバのプライマリ・ケアから思うこと
経済政策で、医薬品含めて物資が手に入らない、という、非常に厳しい状況下で、必然的にせざるを得なかった方策の結果が、今のキューバの医療システムであり、いまや、世界の国々がモデルにしたいと望むプライマリ・ケアに成長しています。
経済制裁という、政治的な要因が非常に大きかったとはいえ、「物がないことで、逆に本質が見えてくる」。 キューバの様子を追いかけながら、そんな風に感じています。
キューバのプライマリ・ケアで注目したいこと:
- 伝統医療や自然療法を積極的に取り入れ、日々の健康を維持していることろ。
- まずは、庭に生えている植物から、という目線
- 子供のころから、基本的な薬草に親しむような教育をしている
- 身近にいる家庭医という存在(なんでも総合的に話せる、診てくれる、指導してくれる)
私自身は、自然療法を実践している一人ですが、すべての病を自然療法だけで治せるとは思っていないし、自然療法、西洋医学、それぞれの良さと得意なところがあると思っています。
それらをバランスよく取り入れようと考えると、キューバが実践しているプライマリ・ケアは、私たち一人一人が学ぶべきところは多いと思うんですよね。
ちょっと調子が悪いな、って思った時、あなたなら、どうしますか?
私だったら、、、まずは、温め、睡眠、アロマテラピー、呼吸、食事、チンキ、ハーブティー、ストレスケア、ホメオパシー、、、 市販薬を飲む前にできること、病院に行くまでに出来ること(おかしい、と思ったら、すぐに診察受けることも大事だけど)、未病のために、普段から色々出来ることがあるし、実際に必要な時にはその時に応じて、出来ることをやっています。
特別なものはなくても、お風呂に入って温まるとか、葛湯をのむとか、、、そういうことだって、未病・予防のための大切な一歩。睡眠をしっかりとる、深い呼吸を心がける、とかだっていいんですよ。
これもできるな、あれもいいかも、、、と思うこと、一度書き出してみると良いかもしれません。案外、できることは多い、って思うかも。
社会のシステムとして作り上げるには難しくても、一人一人の意識の中に、未病・予防への関心が高まっていくと良いなと思います。
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