2022-04-08

ヤロウ精油の深みにはまる

 

八ヶ岳の麓、香りと手当ての小さなサロン nanaflor です。

一つの精油について深く掘り下げて調べてみるって、とても面白い。あー、勉強ってこういう風にやればいいんだな、って、とても共感できるインプットを沢山貰った。 アロマティコ 高嶋雅子さん のおかげです。

 

ヤロウを深堀り

ヤロウ精油、使ったことありますか?

ジャーマンカモミールやタナセタム(ブルータンジー)と並び、カマズレンを含有する精油です。カマズレンを含有するという事は、精油の色は「濃紺」をイメージしますよね。

ところが。

「青じゃないヤロウ精油があるんだよ!」と。

それ聞いたら気になってしまうじゃない? いつもの「知りたい!」熱がムクムク。

雅子さんがナニコレ?と疑問を持たれてヤロウの深みにはまってしまったあらましを聞いて、ぜひとも詳しく!とお願いして、ヤロウonlyの、ちょっとマニアックな講座をアレンジしてもらいました。

私も手元にある書籍やネットで調べられるところまで調べてみたのですが、、、このヤロウという植物、すごく曲者だった! 

 

ヤロウ Achillea millefolium

ヤロウ Achillea millefolium(セイヨウノコギリソウ)

キク科の植物で、花と葉を水蒸気蒸留することで精油を採油します。

精油は「カマズレン」という成分を含有しているため、「青い色」をしているのが一般的。抗炎症作用があるほか、抗アレルギー作用、瘢痕再生作用、通経作用があります。

ハーブ的観点からみると、葉と花には止血効果があり、また食欲増進など決行面での効果が高いことから、ハーブティーにして飲むと効果的。

ヤロウは古くから薬草として知られていて、生の葉は止血作用があり、塗り薬として使われていたほか、北米の先住民チェロキー族では、ヤロウの浸剤や煎剤が風邪や胃腸の症状に使われていたなどの歴史が残されています。

 

ヤロウは亜種がたくさん

ヤロウはヨーロッパ原産の多年草で、ヨーロッパ各地、北欧、中南米、アジアなど非常に広範囲に生育しており、日本には近縁別種のノコギリソウが自生しています。自然交配しやすくて、亜種が沢山あるそうなんです。

例えば、Wikipediaで検索してみると、

Achillea millefolium subsp. millefolium
A. m. subsp. m. var. millefolium – Europe, Asia
A. m. subsp. m. var. borealis – Arctic regions
A. m. subsp. m. var. rubra – Southern Appalachians
A. millefolium subsp. chitralensis – western Himalaya
A. millefolium subsp. sudetica – Alps, Carpathians
Achillea millefolium var. alpicola – Western United States, Alaska
Achillea millefolium var. californica – California, Pacific Northwest
Achillea millefolium var. occidentalis – North America
Achillea millefolium var. pacifica – west coast of North America, Alaska
Achillea millefolium var. puberula – endemic to California

ざーっと、このくらいの亜種やバラエティが出てきます。生育域も様々!

 

ヤロウ精油に含まれるカマズレン

産地によって、精油成分がだいぶ異なることも見えてきました。本によってカマズレンの含有量が色々なのです。

手元の書籍だと、カマズレンが26%とか、56.9%という資料があったり、10%前後や2%前後のものが有ったり。

育つ環境に合わせて、ヤロウ自身が自分を生きやすいように変化させてきた、と思えば、含有成分の割合が違うことも納得はできる。元来植物とはそういうものだし。。。でも、こんなにカマズレンの量に差があるとは思いもしなかった。驚きです。

これって、ケモタイプで分けたほうが良いんじゃないか?と思うくらい。

 

Rティスランドの「精油の安全性ガイド第2版」のヤロウの項では、

ヤロウは非常に多型性種であり、最も一般的である亜種millefoliumと共に、少なくとも2つの亜種に分けられる可能性がある

と書かれていて、ヤロウの一般名も 「Yarrow chamazulene CTと書かれている(CTはケモタイプを表します)。この表記をみて、少なくともティスランド氏は、ヤロウをCTで区別しようとしていることが分かる。

また、その隣には、ヤロウ(グリーン)として、別種のヤロウ Achillea nobilis L. が紹介されています。これはカンファー13.7%あり、カマズレンは含有していない種。(学名が違うので、引き合いに出すのは適切でないかもしれないけど)

他の書籍の中にも、ヤロウ精油について、

薄い黄色やグリーンをしていることもある

と記載があるのを見つけました。

 

やっぱり、青くないヤロウ精油、認知されているんだ。

ヤロウ精油の取り扱いが少ないのも、こういったカマズレン含有量にも起因するのかもしれないな、とも思ったり。

 

香りは共有できた方がいい

カマズレンを含有する青いヤロウ精油の香りは、ちょっとスモーキーでハーバルな感じ。

対照的に、青くないヤロウ精油の香りは、爽やかで軽く、すっきりとした香り。青いヤロウ精油とは全く香りのタイプが違っていました。

講座で教える時には香りのサンプル無しでも行けそうだ、なんて思っていたけれど、このことで、やはり香りの共有は必要だなと思い直しました。

自分の手元にある精油はこれ、と思っていても、相手が同じ精油を持っているとは限らない。だって、私のところには青いヤロウ精油だけど、あなたの手元の精油は青くないヤロウだった、なんてことも起こりうるかもしれないから。

 

調べてみて、見えたこと

私が調べただけでもこんなにたくさんのことが出てきて、記録としてWordに纏めたら数ページの資料になりました。

● 青くないヤロウ精油の存在
● ヤロウの生育域の広さ
● 育つ場所により精油の成分構成が違う →香りの違い
● ハーブとして使う場合、効能や作用に違いがある(ドイツ コミッションE、英国ハーブ協会、その他書籍)
● マトリシン(無色)が水蒸気蒸留を経てカマズレン(青色)となる過程を再確認

 

これプラス、雅子さんの資料!

学術的な論文には手が出なかったけど、そういったところまで追求していくと、深堀りはエンドレスです。

 

「知る」という事に対して、受け身にならず、自分で調べてみる、という事も大事なことだと思う。

● 一つの精油を角度の違うところから見てみる面白さ
● 「3人集まれば文殊の知恵」。自分で調べて分からなくても、聞ける人・答えてくれる人がいる。お互い持っている書籍も違うので、新しい情報が入ってくる。
● マニアックだけど、こういう探求が面白い。想いと行動が循環して、何より楽しい。

能動的に動いてみると、予想外の学びや発見があるということに気づくから。

 

:::

 

雅子さんとは、調べた過程や情報をシェアして感想を話し合って、参考にした本の話をしたりしながら、あっという間の2時間。とても濃かった! こういう話が出来たり、聞ける仲間や先生がいるって、本当に有難いことだなぁと思う。いつもは個で仕事していても、こうして横の繋がりを持っておくことも大事で、得られるものがまた違うし、広がりも出てきます。

 

さぁ、ここまで調べてどうする?って思うけど、、、これはもう、自己満足の領域、かな(笑)。マニアックな小ネタは、そのうち誰かにお伝えできる機会が有るかも。

雅子さんみたいに、情報たっぷり盛り込んでくれる先生と講座はとても魅力的です。こういう先生が身近にいてくれたら絶対嬉しいと思う。季節ごとに深堀り勉強会「ブラッシュアップ勉強会」を企画されているので、ぜひチェックしてみて。→★ 試験や資格のためだけの勉強じゃ、もったいない! 

 

雑学たっぷり詰まった引き出しは、多ければ多いほど楽しいよね。

そのために、伝える側は、地味だけどコツコツ知識を広げていく努力をしている。浅くても広い、狭くても深い、とか何でも良くて、その人なりの個性や興味の軸で探求を続けています。

どこの世界でも、資格を取ってから、試験を受けてからの勉強の方が、本当は大事だったりする。

 

 

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